移動中、担当医師と看護師さんと麻酔科医が挨拶してくれましたが、「あ、はぁ、どうも」と、どちらも人生初の出産と手術に全く実感のない私。
「緊急の手術なのに、私ごときの手術にこんなにメンバーが揃ってるのって変くない?なんかの実験?騙されてる?」
なんて妄想しながら手術室に入っていきました。
手術台に(自分でズリズリしながら)移動、23時くらいから開始。優しそうな麻酔科医のおじちゃんから半身麻酔についてと注射の場所の丁寧な説明があってから、麻酔が打たれ、数分ですっかり下半身の感覚が無くなりました。何かを肩に当てられ、次に足、お腹、と、無感覚の確認。
よく手術のシーンで見る、胸元に台のようなものを設置され、手術開始。開始と言っても全く感覚無いので何してるのかは分からない。
「もうお腹切ったよな〜。あかちゃんのお顔見えてるのかな〜。」と呑気な事を考えていたら、突然、胃の下あたりをグイグイ押され、2〜3回繰り返したところでおなかが軽くなりました。
「あ、出た」
陣痛もなく、出産に挑む心の準備や覚悟など現実感の無いままに出産することになった私の、唯一身体で感じた出産の実感。
次の瞬間、産声が聞こえました。
「ほにゃぁー!ほにゃぁー!」
外の廊下まで響くような大きな声では無かったけど、弱々しくもなく、身体の大きさに比例した元気な産声だったと思います。
少しして、NICUの医師が布に包まれた娘を顔の近くに連れてきてくれました。
おおお。
私「…小さい。」
医師「処置して、NICUで預かりますね」
この頃には、麻酔なのか出血によるものなのか、すごく眠くて意識がふわふわしていたので、大した言葉も発せず、娘のほっぺに触れるのが精一杯でした。
でも、娘はちゃんと泣いて生きてる。後は任せれば大丈夫と、安心した記憶があります。
ちなみに、大したバースプランは考えてなかったけど、カンガルーケア、したかったなぁ。
産まれてから30分くらいでおなか閉じて終了。
胎児取り出すより母体の後始末のほうが時間かかるんだー、と朦朧としながら考えてました。
全体で1時間かからないくらい。
手術室出たところで名前を呼ばれ、主人の顔が見えてホッとしました。両親迎えに行ってくれた様子。ありがとう。母が「お疲れ様」と声かけてくれ、父が「頑張ったね」と、珍しくおでこをなでてくれた。
そのままふつうの4人部屋へ。もろもろ処置をされる。
足に着圧ソックスとマッサージ機みたいなの装着。
麻酔が効いてる私は頭がもやっとしたままされるがまま。