五味太郎さんの人気のしかけ絵本『きんぎょがにげた』の、絵本を読んだ感想、子どもの反応、読み聞かせ方、おすすめポイントなど、元幼稚園教諭・元保育士のママがご紹介。
絵本の概要
きんぎょがにげた/五味太郎 作・絵/対象年齢2歳〜/1982年8月発売/福音館書店
絵本を読んだ感想
ビビットなピンク色がかわいいきんぎょを探す、絵さがしの絵本。私の中で、五味太郎さんと言えば、この『きんぎょがにげた』です!
絵本だけでなく様々なグッズも販売されていますが、一目で「間違いなく、このきんぎょ」と認識されるほどの認知度。小さな子どもから大人まで絶大な人気を誇り、もはやブランドとしての地位を確立していますね。
『きんぎょ注意報』のぎょぴちゃんよりシンプルな見た目とフォルムなのに。
(↑知ってます?)
ちなみに、学生時代の保育園実習の頃から絵本自体は持っていたのですが、娘が産まれて半年の頃に、こちらのつみきを購入。絵本に合わせて動かしたり、ハンドリガードが見られた頃には握らせてあげたりしました。もちろんソッコーで食べられますが、きんぎょがしっぽから捕食されている姿・・・何とも言えないかわいさです(笑)
※ハンドリガードは、生後3ヵ月くらいに現れる、あかちゃんが自分の手を見つめるしぐさです。
(↓コレ)
とってもかわいいシーンで、私スマホ連写しまくりましたが、あかちゃんが初めて自分の体の一部を発見し、なめた舌の感触やなめられた皮膚の感覚など、いろんな刺激が脳でつながるとても大切なしぐさだそうです。そもそも、腕を動かして持ち上げることが出来るようになる前提なので、あかちゃんにとっては大きな成長の証なんですね。
絵本の感想に戻りますが、私はこの絵本を1冊手元に持っておいてよかったなと思いました。
というのも、”きんぎょを探す”というシンプルな流れなので、親子のコミュニケーションのきっかけになるし、言葉が話せなくても、わかりやすいイラストと親の語り掛けで、子どもには認知しやすかったようで、他の絵本にも興味を持ってくれたからです。
きんぎょの他にもいろいろなモチーフが出てくるので、何度読んでも飽きずに見てくれます。
(ほかの絵本を数冊引っ張り出して、「読んで」と言うかのようにアピールしてくることがありましたが、重なった絵本の中には必ず『きんぎょがにげた』が入っていました。)
また、厚みが無いので1歳の子どもでも掴むことができるという点でも、子どもの興味や自分でやりたい気持ちを邪魔せず、良いのかもしれません。
サイズ的には、リュックやバックに入るサイズなので、旅行の際に持って行ったこともありました。
子どもの反応
我が家では、産まれた時から読んでいました。
最初は、「きんぎょどこかな?」と言っても、無反応(逆に反応あったら怖い)。
ですが、2ヵ月も過ぎると明らかに絵本を「じーっ」と見てるのがわかりました。冒頭数ページは白地にピンクのきんぎょが目立つページ構成なので、”きんぎょ”を見ていることもわかります。
余談ですが、2ヵ月間、完全に一人芝居だったので、「絵本を見てくれている実感」と、おっぱい星人以外の対象として認められた感に心が震えました(涙)
1歳を過ぎる頃には、自分で絵本を開いて見ていたり、「きんぎょ、どこかな~?」と話しかけると、「(これこれ。これよ?)」と言わんばかりに、私を振り返って、指差して教えてくれるようになりました。
おしゃべりできるようになると、「きんぎょ」とか「これ」とか、問いかけに対して返答するというコミュニケーションが成立するようになり、3歳になるとひらがなを読めるようになってきたので、自分でこの絵本を引っ張り出して来て、「き」「ん」と、指さししながら読んでいました。
また、私に読んでくれようとするので、「どれかな~こっちかな?」とわざと間違えると、「ちがーーーう!」とゲーム感覚で一緒に読み進められるようになりました。
読み聞かせの方法やおすすめのポイント
0歳のうちは、ママの完全一人芝居です(笑)
ピンクの丸々としたきんぎょを指さして、「きんぎょがにげた~。」「あれ?どこかな?」「いないなぁ~」という具合に。
そのうち、子どもが自信を持ってきんぎょを示すようになったら、「これもピンクできんぎょに似てるから、これかな?」とわざと間違えてみたり、「おふねはどれかな?」「キリンさんもいるね~!」と、他のイラストを見つけたり、ゲーム感覚で絵本を楽しみました。
また、3歳になってひらがなを読めるようになってきたら、「なんでこれがきんぎょなの?こっちの丸いの(ボール)と似てるじゃん?」と聞いてみたことも。
娘は少し考えて、「しっぽがあるから」「目の白いところあるから」と自分なりに考えた答えを教えてくれました。
正解を求めているわけじゃなく、自分で考えて自分の言葉で伝える、ということが稚拙ながらも少しずつできるようになってきたんだな~と感心しました。
「どう思った?」「あなたならどうする?」とか、子ども自身が考えるきっかけとしても、絵本は使えますね。
“きんぎょ”という言葉とイラストの”ピンクの丸いモチーフ(きんぎょ)”がつながるには、耳・目・脳の認知・発達におけるいくつもの段階を経つつ、他者とのコミュニケーションが必要なのだと思います。
ひらがなを追うのではなく、文章としてしっかり絵本を読めるようになってきても、まだまだ知らない言葉がたくさんあるうちは、本人がいらないと言うまでは、寄り添ってあげたいものですね。