ベッドの下とクローゼットの中からお雛様一式を引っ張り出し、飾りました。
一昨年、娘が産まれてから退院して家に来るまでの1か月の間は、私の退院から一息つく間もなく、母乳運搬のために病院と家の往復でバタバタでした。
当然、3月3日のお雛祭りのことなんて頭になかったのですが、母に言われて、「そういえば・・・(来年じゃダメかしら?笑)」と、娘の退院少し前に、浅草橋にお雛様を見に行ったのでした。
回ったお店は、みなさん良く知る、「久月」と「吉徳」の2つ。
切開創が痛くて、ほかのお店も見て回る余裕などありませんでした。(まぁこの2つ見れば見つかるっしょ)
ひな人形を選ぶのは今回が初めてでしたが、そもそもひな人形に拘りというほどの拘りもなく、決めようにも決め手が無い。
母は、「7段飾りいいわねぇ~」なんて言ってましたが、いやいやいやいや、昨今の都内2LDKのマンションでは飾れませんからね?・・・ってことで、とりあえず、我が家のサイズに合う種類はどんなものか、というところから検討開始。
まず、収納方法から。
出しっぱなしOKならケース飾りもいいですが、我が家には年中飾っておけるような床の間はありません(そんな家なら7段飾りいける)。収納飾りも考えましたが、その収納箱を収納するための幅と高さと奥行きが思った以上に大きくて、そんなスペースは無いのでこちらも却下。
小物とお人形を別々にお片付けできる親王飾りに決めました。
次にお人形のサイズ。
これ、私にとっては大きな判断基準になりました。何体ものお人形がズラ~ッと並んでいるのを流し見ていたのでサイズに違いがあることには気付きましたが、それでも、「若干サイズ違うんだなー小さいほうが収納しやすそう~」くらいにしか思っていませんでした。
そこに声をかけてくれた、好々爺な店員さん。「確かに小さいほうが収納はしやすいですが、ぱっと見た時に、大きいほうがゆったりしていて、小さいほうは窮屈に見えませんか。」と。
・・・確かに。
何となく、小さいほうは太ってる?着ぶくれてる?
なぜか。それは、女雛の十二単の織物の厚さは、どのお人形のサイズでも同じだから、だそうです。重ねれば重ねるほどお衣装全体の厚みは厚くなるので、小さいお人形だと、首回りに余裕がなくなる。
見てみると、ほんと。襟もとに隙間が無いのと首が無い、そして肩がいかつい(笑)
なるほどね~。
言われなければ、お雛様の時代はふくよかなのが美しいと言われてた時代だしな~で終わってました。
そして最後。もう最後。
お人形選びのハイライト。そのまんま、どのお人形にするか、です。
先のお話でサイズは普通サイズにしたものの、屏風、男雛と女雛のお衣装、台座、その他小物などなど、全ての色やデザインを見始めたらキリが無い。
再び、好々爺に助けを求めると、「まずはお顔、次にお衣装」とのこと。確か母も、「お顔の表情を見て、これがいい!と思うものを選びなさい。」と言ってました。
そして選んだのが、冒頭のお雛様です。
選んだ理由は、
☆お顔
ふくよかでかわいらしい表情ではなく、シュッとした静かで落ち着いた表情。派手さは無くとも、お互いに自立しつつ一緒に着実に幸せを重ねていける雰囲気だったので、願いを込めて。これが一番の決め手でした。
☆仕立て
正面から見えないお衣装の裾の部分や袖の後ろも立体的で、1枚ずつ着物を重ねて着せていました。正絹で柄は刺繍。
男雛の黒袍は希望通り、女雛のお衣装の色はもう少し朱色が良かったですが・・・そこは妥協しました。
☆屏風
柄や箔が入った豪華なものもありましたが、ごちゃごちゃするのでシンプルな金屏風が良かったです。
他に、小物類のしつらえが金箔か、彫りが入っているか、など、人によって色々こだわりポイントはあるみたいですが、私は、小物に関しては全体の雰囲気を邪魔しなければいいや、くらいでした。
木目込み人形も迷いましたが、ぷっくり可愛らしい感じがしっくりこず、(実家のお雛様も日本人形タイプで見慣れていたのもあったので)やめました。
こうして、最初は何もこだわりが無かったお人形選びでしたが、いろんな人のお話を聞いて、無事、娘の幸せへの願いを込めたお人形を選ぶことが出来たのでした。
我が家の雛も1歳2か月になりました。